Vtuberから学ぶ人に教える技術

Vtuberから学ぶ人に教える技術

はじめに

ここ数ヶ月Vtuberにハマってしまい、色々な動画や配信を見ています。特に好きなのはホロライブのメンバー達を中心に見ています。サメちゃん可愛いし英語の発音がキレイで聞き取りやすくて勉強がてらに生放送など見てます!

そんな事は置いといて、見た動画はコレ。

にじさんじというVtuberグループ会社所属の魔界ノりりむとグウェル・オス・ガール(以下りりむとグウェルとします)の二人の配信です。数学ガールの著者である結城浩さんがツイートしてたり、一時期ネット上で少し話題になりました。 そして二人で配信した放送はりりむが積分の問題を解けるまで終われない耐久放送で8時間にも及ぶ超大作なんですがこれが色んなドラマがあって最後は少し感動してしまうレベルでした。私は特にグウェルの教える方法やスタンスが凄く良かったので自分なりに感じたものをメモしておこうと思いました。

少しだけ補足しておくと、りりむは不登校になり、いつからと明言はされていませんが中学・高校の数学は学んでいない所からの積分にチャレンジする配信です。

動画を見て思った事

まずは教える内容、すなわちゴールを明確に決めています。この動画では積分が自力で解けるまでをゴールとしており教える側も教わる側も明確にゴールが設定されているのでわかりやすいと思いました。

どこからわからないかを明確にする

グウェルは手始めに一次関数や二次関数を出してみて知ってるかどうかを聞いていきます。そしてりりむがわからないと言った時感謝しています。この時グウェルは、「わからないところを全部教えてくれるのは、とても嬉しい」と言っています。そこから始まりの地点を探していきます。

このようにどこからわからないかを明確に出来るのは教える側にとってはとても良い事であり、また教わる側の態度としてちゃんと 「わからない」「全部」 伝えるのは良いなと思いました。

相手の話を遮らない

グウェルが説明している時にりりむが何か言いかけた時、グウェルは一度自分の話を止めてりりむに発言を促します。これも凄い良い点だなと思いました。私自身でもよくあるんですが、説明を聞いている時にふと疑問に思った事などがあった場合に後で質問しようと思っていたら思いの外話が終わるまでに時間があって他にも聞きたい事が出てきた場合など、どんどん質問しようと思った事を忘れていきます。特に教えている時などはその瞬間の疑問を解消していく方が結果的に理解を早めると感じました。

相手を否定しない

りりむが何か言いかけた時に質問である場合ともう一つあって、自分はこう理解していると発言します。この動画の例だと説明で出てきた例題を解いて答えを言うのですが、答えとしては間違っていました。ですがグウェルはりりむを素晴らしいと褒めます。もし答えが正解の場合は正しく理解しているという事で素晴らしいし、不正解でもどう理解しているのかをわかるので素晴らしいと思っている感じでした。どう計算したかを聞き、計算ミスをしている部分をりりむ自身で気付けるように導いていくスタイルが自分の中ですごく良かったです。

この動画内でグウェルは 徹底的に相手を褒め、否定するような事は一切言ってなかった のが印象的でした。

相手を否定してしまうとその後相手は萎縮してしまい、わからない所でも質問する事を躊躇ってしまう可能性がある。(私も同じように萎縮してしまうので結構これは多いと思います)

またグウェルが少し難しい説明をした際にりりむがわからず唸っていると、グウェルはすぐさまりりむに自分の説明が悪かったと謝ります。これも相手に「わからない」を否定しない良いムーブであると感じました。他にもグウェルが間違った時もすぐさまグウェルは謝ってたのが印象的でちゃんと自分の非を認める事も重要だと認識しました。

わかりやすいフォーマットにする

今回の場合は数学で、まずは数式で説明していくのですがりりむはイマイチ掴めてなかったようで、グウェルがグラフでの説明に変えた所りりむが「こっちの方がわかりやすい」と言っており要所要所でグラフを使用しての説明にしていました。

教える内容によっては難しいかもしれませんが、視覚的にわかりやすいものに変えれる場合はこのようにグラフィカルに表示する事で相手の理解度を深める事が出来るなーと思いました。

専門用語をさける

動画だとたまに使ってしまってたりするんですが、変数がりりむにはピンと来なくてポケモンのメタモンに例えて説明したり、分数の説明でピザを出したりなるべくグウェルが専門用語を避けて説明していてやっぱりこれは重要なんだと再認識しました。説明する相手はその専門用語を知らない可能性が高いので、特に誰かに教える時はここのポイントを気をつけた方が良いな思います。

その他思った事

まずこの方法が出来るのは一対一の時だけだなーと感じました。徹底的にわからない部分を適時解消していくので複数人になるとこの方法はかなり難しいと思います。そして二人の関係性も大事かなと思いました。グウェルとりりむはフランクに会話しており気軽に質問出来るのも教える・教わる事に関して重要だと思います。

といった感じで人に教えるというポイントを自分なりに解釈しましたが、本当に動画は長いのですがとにかくドラマがいっぱいで私自身もとうの昔に忘れていた微積を思い出しましたし最後の積分の計算はりりむと一緒に紙に書いて計算していましたw グウェルの説明は本当に上手くわかりやすかったので普通に教材として良いと思いました。約分の説明などもあったので約7年分ぐらいの算数・数学がこの8時間に詰まっています(*因数分解とかそういうのはなかったです)

またりりむは自身で地頭が良いと冒頭で言ってたんですが本当にそうで着眼点が素晴らしかったりしたし、集中力も凄まじく、教わる側のスタンスとしても完璧だったと思います。それとコメントがみんな暖かく応援してるのは最高の視聴者だと思いました。またこの配信後に数日空けて復習配信もしており、本当に学ぶ姿勢が良いと思いました。

Author

Michinobu Nishimoto

記事を書いてる人: 日本とカナダのWeb制作会社で数年間の経験を積んだ後、カナダのスタートアップでフロントエンドエンジニアとしてWebアプリケーションの開発をしている。

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